宮崎大学にて平成28年4月から新設される地域資源創成学部とはなにを学ぶところなのでしょうか?

まずは、地域資源創成学部を宮崎大学が設立した背景を確認してみました。

地域資源創成学部設立背景=問題認識

地域社会経済全体が衰退傾向にある宮崎県などの地域では、持続可能な地域創成と地域産業の振興に向け、地域資源を経済的価値に転換できる仕組みや、国内外市場の解体やリンケージ構築、地域活動の有機的連結とその活性化を実現できる人材の存在が強く望まれています。

地域資源創成学部の概要より抜粋)


もっとわかりやすくしてみます。

若い人は都会に出ていき、いたるところで少子高齢化の解決の糸口は見えないまま、今まで宮崎県の産業・社会・生活を支えてきた商工・農業などの後継者は不足し、なにより市場の競争と変化のスピードに追い付くことができずに経済を中心に衰退してきています。これは宮崎だけではないけどね。

そんなヤバい地域では、行政の単発の予算投下による単発の経済効果による盛り上げ策ではなくて、しっかりと自らの力で事業や社会が継続することが可能な地域と産業を構築する必要があります。そのためには、一見 経済的価値がないように見えるものでも、資源としての価値を見出して、特に地域外市場において商売する仕組みや、地域外であり国内外市場の開拓や波及効果(たとえば、クロスセル、アップセル)などの仕掛けの構築、そのようなビジネス的展開をするにあたっても地域において変化・チャレンジするためのベースとなる地域の人との活動との有機的連結と活性化の中心となったり、活性化する人材の存在が必要となります。

要は、地域の資源の付加価値を高め、それを貨幣価値として地域外で商売し、稼ぐ人材とチャレンジする人材、つなぐ人材がいま足りていない!そのための人材育成が必要だ!ってことだと思っています。


地域資源創成学部ではどんな教育・育成をするのか?

これからの社会で必要な人材育成として「マネジメントの専門知識」、「社会・人文科学、および農学・工学分野の利活用技術の基礎知識」を教授する異分野融合のカリキュラムを構築し、研究者教員(今まで研究室にる先生)と実務家教育(社会で実践・実績のある先生)とが協働した実践的教育、宮崎県全域をフィールドとした実習や国内・海外インターンシップによる地域の方たちと一体となった協働教育を導入する。

さらに、ざっくりと言ってしまえば、学術的なことも勉強するけど、実践的な勉強をして、実践する。
地域課題=日本社会の課題の解決を、学術的アプローチだけではなく、ビジネスとして実践する。地域社会に根ざしたビジネススクールのようなものになるのかなと。


地域資源創成学部では、どんな人材の輩出をめざすのか?

 地域資源創成学部の教育を通して、実社会で通用する「企画力」「実践力」の育成を図り、地域の活性化に不可欠な社会を牽引するイノベーション創出に向けたマネジメントの知識と、地域資源の価値を複眼的に捉える視野を持った人材を養成し、地域から要望が高い、実社会で即戦力として活躍できる人材の排出を目指すと。

もっと踏み込むと、たぶん実社会で活躍し続ける人材であり、ただ活躍するだけではなく、課題を抱える日本社会・地域社会の課題解決をする人材ということは、資本主義の中でしっかりと稼ぎながらも、地域価値、精神的価値、文化的価値、歴史的価値などの目に見えない価値を理解し、受け入れ、守り・革新させながらも、経済的意味だけではない 豊かな未来を創る人材を輩出するということでしょう。そう期待し、そうでなければいけないですね。決してテクニカルな稼ぎ方だけではだめなのです。


地域資源創成とはなにでしょうか?

ここで「地域資源の創成」という意味を確認してみましょう。

現時点での宮崎大学の地域資源創成学部の説明における地域資源は大きく4つあります。詳細と共にまとめてみました。

・自然資源
 温暖な気候、豊富な日照時間、豊かな自然(水・森林・海)など
・社会資源
 地域社会の強靭性や自治力、郷土愛の強い県民性、色濃く残る農耕・狩猟民族文化、神話や古墳等の史跡
・経済資源
 農林畜水産業、フードビジネス産業、太陽光関連産業、ICT産業、観光スポーツ産業など
・人的・知的資源
 一次産業技術者、多数の地元企業、高い出生率、高等教育機関など

こうみると、資源は経済的衰退の中心ともいえる産業も含まれています。
しかし、これこそ地域の資源であり、日本各地域が抱える資源とも言えます。

この地域資源の価値を見直し、生産性の向上、または高付加価値の創出を行うこと。
その創出により、地域の活性化と成長・人口減少の克服へ繋げていくことが創成なのです。

「地方・社会の課題をイノベーションにより解決していく」それが、地域資源創成ということなのでしょう。